始業時間になると、どこからともなくラジオ体操の音楽が流れてきた。と、男性社員は立って体操を始める。当然僕も体操始める。やっとメーカー社員の朝みたいになってきたぞ。
が、5人いる女子社員は目の前で男性社員が体操していることも、鳴っているラジオ体操の音楽も、まったく見えない、聞こえない雰囲気でうつむいて席に座っている・・・。異様な光景。男性社員、管理職の部課長も誰も注意しない。もうそういうお約束なんだな・・・。(この男性だけ体操するというのは、僕が後に退職するまで変わらなかった。)
体操が終わると、若い先輩が声を出す。
「はい、おはようございまーす。」
「おはようございます。」
「朝礼をはじめますー。何か連絡事項のある人はいますか?」
「・・・・・・。」
「えー、Mさん、森田君の紹介を。」
「お!そうだね。僕もまだ初対面なんだけど、待望の!新人の森田さんです。どうぞ自己紹介を。」
「はじめまして。この度、こちらの営業グループに配属になりました、森田です。香川出身です。どうぞ、よろしくお願いします!」
(パチパチパチパチ)
そんな感じで一日目がスタートした。僕の教育担当のMさんは30歳前の若手主任。待望の部下誕生がほんま嬉しい感じがにじみ出ている。ただ、内部監査が入っているとかでものすごく忙しいようで、ほとんど相手にしてくれず。
「ほんま、ごめんなぁ。落ち着いたら晩御飯、じゃんじゃん食べようなぁ」
「いえいえ、お気遣い無く・・・」
優しい先輩だなぁと思っておりましたが、その後、ほぼ毎晩、呑んで連れまわされる日々を実感することになるのはもっと後です。
(つづく)
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